暖かかった冬も過ぎ(といっても2月よりも3月のほうが寒かったりしましたが…)、新年度が始まりました。心機一転がんばっていきましょう。さて、この“心機一転”ですが、つい“新規一転”と書いてしまいたくなりますが、“新規”ではなく“心機一転”なんですね。周りが新しくのなるのではなく、自分の心を入れ替えるということなんですね。このところ“漢字”が大流行ですが、この“心機一転”のように、よく見ると「なぜこの字なんだろう?」と思うことがあります。“ごきげんいかが?”も“ご気嫌いかが?”ではなく“ご機嫌いかが?”と、気分のことだから“気”と使いたいところですがなぜか機械の“機”の字を使います。これは“機”という字に“きっかけ”とか“めぐり合わせ”といった意味があるからだとか。さあ、この4月もジェネオンのDVDにめぐり合っていただきましょう!
今月はイギリスの名匠ケン・ローチ監督の最新作で2006年度カンヌ映画祭パルムドールを受賞した『麦の穂をゆらす風』、そのケン・ローチの2000年の名作『ブレッド&ローズ』、オダギリジョー主演の摩訶不思議なサスペンス・コメディ『パビリオン山椒魚』、『マリー・アントワネット』や『スパイダーマン3』の人気女優キルスティン・ダンスト主演のラヴ・コメディ『恋人にしてはいけない男の愛し方』、『太陽がいっぱい』『リプリー』のその後を描いたジョン・マルコヴィッチ主演のサスペンス『リプリーズ・ゲーム』、『プラダを着た悪魔』で人気爆発したアン・ハサウェイが大胆なヌードに挑戦した衝撃作『アン・ハサウェイ/裸の天使』と珠玉の作品が揃っています。それではそんな映画たちの知っていても何の役にも立たないお話でも始めましょうか…。
今月のそんなこと
麦の穂をゆらす風 プレミアム・エディション
麦の穂をゆらす風
プレミアム・エディション
ブレッド&ローズ
ブレッド&ローズ
パビリオン山椒魚 プレミアム・エディション
パビリオン山椒魚
プレミアム・エディション
恋人にしてはいけない男の愛し方
恋人にしてはいけない
男の愛し方
リプリーズ・ゲーム
リプリーズ・ゲーム
アン・ハサウェイ/裸の天使
アン・ハサウェイ
/裸の天使
麦の穂をゆらす風 / ブレッド&ローズ
麦の穂をゆらす風 プレミアム・エディション
ブレッド&ローズ
麦の穂をゆらす風 プレミアム・エディション
2007年4月25日発売  GNBF-1156 税込4,935円(税抜4,700円)
発売元:ジェネオン エンタテインメント
監督:ケン・ローチ
キャスト:キリアン・マーフィー(「28日後…」「バッドマン ビギンズ」「プルートで朝食を」「コールド・マウンテン」)/ポードリック・ディレーニー/リーアム・カニンガム(「プルートで朝食を」)/オーラ・フィッツジェラルド/ウィリアム・ルアン

ブレッド&ローズ
2007年4月25日発売  GNBF-1159 税込3,990円(税抜3,800円)
発売元:ジェネオン エンタテインメント
監督:ケン・ローチ
キャスト:ピラール・パディージャ/エルピディア・カリージョ(「彼女を見ればわかること」)/エイドリアン・ブロディ(「戦場のピアニスト」「キング・コング」)/ジョージ・ロペス/アロンソ・チャベス
2006年度のカンヌ映画祭はソフィア・コッポラ監督の歴史大作『マリー・アントワネット』(2006)や日本でも話題のブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、役所広司、菊地凛子主演の社会派『バベル』(2006)が最高賞であるパルムドールに有力視されていましたが、実際に取ったのはイギリス映画界の重鎮ケン・ローチ監督の『麦の穂をゆらす風』でした。
1920年代、アイルランド南部にある町、コーク。医者になるのが夢だったデミアン(キリアン・マーフィー)はロンドンの病院に勤めることになっていた。そこで友人たちと別れを惜しみアイルランド伝統のゲーム“ハーリング”をして楽しむ。ところがその直後、イギリス政府から派遣されている武装警察隊“ブラック・アンド・タンズ”が現われ、ハーリングをなぜやったのか訊問を始めた。長い間、イギリスに支配されてきたアイルランドは、アイルランド独自の言葉を使うことや伝統的なスポーツなどすべてを禁じられていたのだ。しかもブラック・アンド・タンズの追及は容赦なく、暴行されて命を落とす者も少なくなかった。若者の中にはアイルランド独立のために武器をとって戦おうと言い出すものもいて、デミアンの兄テディはそのリーダー的存在だった。テディはデミアンにも参加するよう言うが、デミアンは少ない人数でイギリスの軍隊に勝てるわけがないと断る。デミアンがロンドンに旅立つ日、強引に乗り込もうとするイギリス兵に対して乗車拒否する駅員たちの姿が窓から見えた。駅員たちは暴力を受けながらも断固とした態度で挑み、ついには追い返す。そんな様子を見たデミアンは自分も武器をとって戦う意思を固めるのだった…。
これまでも『大地と自由』(1995)や『マイ・ネーム・イズ・ジョー』(1998)など、底辺で暮らしながらも自由のためにたくましく生きていく人々の姿を描いてきたケン・ローチですが、この『麦の穂をゆらす風』はイギリスでマスコミを揺るがす大問題となりました。というのも、イギリスは現在でも北アイルランドとの問題を抱えたままで、良質の映画を撮ってきたケン・ローチ監督がイギリスの影の部分であるアイルランドを支配していた時代の映画を撮ったことを国に対する裏切りととった人もいたからでした。賛成派と反対派に分かれての国中を巻き込んだ大論争となり、映画に賛成するわずか30館の映画館でしか上映が決まらなかったのです。ところがワールド・プレミアとなったカンヌ映画祭で上映され、10分ものスタンディング・オベーションで迎えられ、ウォン・カーウァイ監督を審査委員長とする審査員の満場一致でパルムドールに決まったところ、3倍を超える105館での上映へと増えたのでした(笑)。
ケン・ローチ監督が『麦の穂をゆらす風』を撮るきっかけとなったのは、1975年にBBCで放送された『Days of Hope』というドラマでした。脚本のポール・ラヴァティとともに綿密な調査を始め、話し合いを重ねながらラヴァティが執筆し、それを第三者に見せては意見を聞き、練り込んでいきました。撮影が始まってからも意見を交換しあい、新たな展開の可能性も話し合われましたが、結局は脚本の決定稿とほぼ同じ内容の映画が完成しました。それだけ完成度の高い脚本だったのです。
監督は出演者に対し、細かなアクセントにまでリアリティを求め、アイルランドのコーク出身者をキャスティングしたいと考えていました。ダニー・ボイル監督の『28日後…』(2002)で脚光を浴び、『バットマン・ビギンズ』(2005)や『プルートで朝食を』(2005)で注目を集めた若き演技派キリアン・マーフィーは以前からケン・ローチ監督を尊敬しており、何が何でも出演したいとオーディションに6回も参加し、ケン・ローチの想像を超えた演技のアプローチをしてみせ、見事に主役の座を勝ち取ったのです。そのときケン・ローチはまだ知らなかったのですが、キリアン・マーフィーはアイルランドのコーク出身だったのです!また、これまでの作品と同じように地元の人々にも俳優として出演してもらっています。地元の俳優にこだわったあまり、アイルランド人遊撃隊の隊員役のキャスティングだけで4ヶ月もかかってしまったとか!
監督が理想とする完璧なキャストは揃ったものの、アイルランドの風景は舞台となる1920年代とは変わり果てていました。そこで撮影が終わったら元に戻すことを条件に、カラフルな現代風な家や街並みを当時のコケの生えたくすんだ色合いに塗り直していったのです。こだわりにこだわったケン・ローチでしたが、事件の発端となるハーリングをするシーンで、背景の遠くをよく見ると1920年代にはなかったはずのビルが映っていたり、当時はなかったプラスティック製の窓枠の家があったりします…。
ちなみに『麦の穂をゆらす風』というタイトルですが、これはアイルランドで歌われてきた、レジスタンス活動で命を落とした兵士のことを歌ったトラッディショナル・ソング「大麦を揺らす風(The Wind that Shakes the Barley)」から取られています。今なお続くアイルランド問題。その真実の姿を見る感動の名作です。
市井の人々の姿を追い続けてきたケン・ローチ監督が、メキシコからやってきた移民の姉妹の実話をもとに家族の絆を描いた2000年製作の名作『ブレッド&ローズ』。悪条件の中で働かされるメキシコ移民の労使間闘争問題。のちに『戦場のピアニスト』(2002)でアカデミー賞主演男優賞を取ることになるエイドリアン・ブロディが出演していますが、リアリティを求めるケン・ローチに応えるべく、撮影開始前にロサンゼルス労働組合の協議会に身分を隠して参加し、ストライキ問題などについて語り合いました。参加者の何人かはエイドリアン・ブロディと気づきましたが、ほかの人にバラさないよう説得したそうです。『麦の穂をゆらす風』のキリアン・マーフィーに劣らずケン・ローチの信奉者であるエイドリアン・ブロディは、この『ブレッド&ローズ』の脚本を読む前に出演を快諾したのだとか。ケン・ローチ信奉者は多く、実は『ブレッド&ローズ』にはあのティム・ロスとベニチオ・デル・トロがノンクレジットでカメオ出演しています。気になる方は探してみてください!
パビリオン山椒魚 プレミアム・エディション
2007年4月25日発売
SJ-10395 税込4,935円(税抜4,700円)
発売元:スタイルジャム 販売元:ジェネオン エンタテインメント

監督・脚本:冨永昌敬(『亀虫』『シャーリー・テンプル・ジャポン・パート?』)
キャスト:オダギリ ジョー(『ビッグリバー』『ゆれる』)/香椎由宇(『デスノート』『真昼の星空』)/高田純次/麻生祐未『SURVIVE STYLE5+』/光石研(『パッチギ!』『亡国のイージス』)/KIKI(『ヴィタール』)/キタキマユ(『笑う大天使(ミカエル)』)/斉藤陽一郎(『EUREKA』)/杉山彦々(『亀虫』)/津田寛治(『小さき勇者たち〜GAMERA〜』)


現在の日本映画界で人気実力とも兼ね備え、カリスマ的な魅力を持つ俳優といえばオダギリジョー。シリアスな役からコミカルな役まで自分のものにしてしまう彼が、“説明できない変な映画”と称したのがこの『パビリオン山椒魚』。タイトルも変だが、中身はもっと変!
天然記念物に指定されているオオサンショウウオ。第15代将軍徳川慶喜が1867年のパリ万国博覧会に出品したといわれる“動物国宝”オオサンショウウオの“キンジロー”を政府から何十億円もの助成金を受けて管理している…と噂されているのが二宮家の『サラマンドル・キンジロー財団』。二宮家にはアキノ(麻生祐未)、みはり(KIKI)、日々子(キタキマユ)、あづき(香椎由宇)の美人四姉妹がいることでも知られていた。ある日、自称“21世紀の天才レントゲン技師”の飛鳥芳一(オダギリジョー)は、キンジローにニセモノ疑惑があるのでキンジローの背骨にパリ万博のときに負った怪我の治療の痕が残っているか、秘かにレントゲン撮影してきてほしいとある人物から依頼を受ける。一方、財団から追い出された美人四姉妹の父である四郎(高田純次)はあづきをそそのかしてキンジローの誘拐を企んでいた。そんな中、キンジローの150歳のお誕生パーティーが開かれようとしていた…。
監督はこの『パビリオン山椒魚』がデビュー作となる冨永昌敬。自主制作映画で国内外から高い評価を得てきた監督で、構想5年をかけて挑んだのがこの『パビリオン山椒魚』だったりする。前半と後半ではまったく別の映画になってしまう奇妙な構成になっていて、完成披露の舞台挨拶でオダギリジョー、香椎由宇らが口を揃えて「説明しづらい映画」と称したほど(笑)。とくに香椎由宇は初めて冨永監督に会ったとき、一言も口をきいてもらえなかったらしく困惑したとか(のちに監督自身は緊張していたと弁明!)。また契太郎という役を演じた個性派俳優の斉藤陽一郎は冨永監督に演技指導さえされず、放置プレイ状態のまま撮影が終わってしまったとか(笑)。見た人のほとんどが“なぜ?”の嵐に見舞われるという“浅草・花やしき仕様のジェットコースタームービー”。さあ、いったいどんな映画なのか? 気になる方はDVDでぜひご覧ください!
恋人にしてはいけない男の愛し方
2007年4月25日発売
GNBF-7343 税込3,990円(税抜3,800円)
発売元:ゼイリブ  販売元:ジェネオン エンタテインメント

監督:トミー・オヘイバー
キャスト:キルスティン・ダンスト(「スパイダーマン」「スパイダーマン2」「ウィンブルドン」)/ベン・フォスター(「X-MEN:ファイナル・ディシジョン」「ホステージ」「パニッシャー」)/メリッサ・サージミラー(「守護神」「二重誘拐」「エントランス」)/シスコ( 「スノードッグ」)/シェーン・ウェスト (「リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い」「ドラキュリア」)/コリン・ハンクス (「キング・コング」「オレンジカウンティ」「バンド・オブ・ブラザーズ」)


大ヒットしたソフィア・コッポラ監督のポップな歴史大作『マリー・アントワネット』(2006)では悲劇のマリー・アントワネットを演じ、大ヒット・シリーズ『スパイダーマン』(2002−2007)ではヒロインを演じているキルスティン・ダンスト。そのキルスティン・ダンストが歌やダンスを披露してしまうのがこの『恋人にしてはいけない男の愛し方』。
恋人のアリソンにフラれたバーク(ベン・フォスター)は未練たっぷりでアリソンのことを想い続ける日々。ところがアリソンには早くも新しい恋人がいることがわかり、しかもふたり揃って大学のミュージカルに出演することを知ってしまう。なんとかアリソンと寄りを戻したいとい思っているバークは自分もミュージカルに参加しようと決意する。とはいえ、演技もできないし、ダンスも踊れないし、歌だって最悪だった!悩むバークに救いの手を差し伸べてくれたのがミュージカルの主演を務めるケリー(キルスティン・ダンスト)だった。実はケリーはバークのことが前から好きで、個人レッスンを買って出たのだ。次第に心優しいケリーに引かれていくバークだったが、公演の日、アリソンから寄りを戻したいと告白されてしまい…。
この『恋人にしてはいけない男の愛し方』のすごいところは、なんといってもキルスティン・ダンストが歌っていること!この作品が歌手キルスティン・ダンストのデビューだったりします。ほかでは見られないキルスティンが見られる本作ですが、ちょっとおかしなキルスティンも見られちゃいます。キルスティンがベンチでキスをするシーンで、撮影中は手にビールを持っていたのですが、編集の段階で持っていないほうがいいということになりデジタル処理で消すことになったのですが、ビールのビンだけを消してしまったので、キルスティンの指の形が不自然なままになってしまっています(笑)。またこの映画は劇場公開されたときは、R指定を逃れるためにエロティックなセリフやストリップ・クラブのシーンなどをカットして上映されていました。
さてさてバークはケリーを選ぶのか、元の恋人アリソンを選ぶのか、その答えはDVDの中にありますよ!
リプリーズ・ゲーム
2007年4月25日発売
GNBF-1155 税込3,990円(税抜3,800円)
発売元:ジェネオン エンタテインメント

監督・脚本:リリアナ・カバーニ(『フランチェスコ』)
音楽:エンニオ・モリコーネ(『海の上のピアニスト』『アンタッチャブル』)
キャスト:ジョン・マルコヴィッチ(『マルコヴィッチの穴』『リバティーン』)/ダグレイ・スコット(『MI:2』)/レイ・ウィンストン(『ディパーテッド』)/レナ・ヘディ(『ブラザーズ・グリム』)/キアラ・カゼッリ(『愛のめぐりあい』)


アラン・ドロン主演の『太陽がいっぱい』(1960)と、マット・デイモン主演の『リプリー』(1999)の原作は同じというのはご存知の方も多いと思います。原作はパトリシア・ハイスミスが1955年に書いた『太陽がいっぱい』、原題は『The Talented Mr.Ripley』。パトリシア・ハイスミスはアラン・ドロンやマット・デイモンが演じた天才的犯罪者リプリーをシリーズで書いていて、1970年の『贋作』、1974年には『アメリカの友人』、1980年に『リプリーをまねた少年』、そして1991年にはシリーズ最後となる『死者と踊るリプリー』の長編5作、そしていくつかの短編を書いています。映画ファンならこのシリーズの中で「あれ?」と思うのは第3作『アメリカの友人』でしょう。実はヴィム・ヴェンダース監督によって1977年に映画化されているのです。このときにリプリーを演じていたのはデニス・ホッパー。意外と『アメリカの友人』が『太陽がいっぱい』の続編であることは知られていません。この『アメリカの友人』の原題は『Ripley's Game』。そうです、この『リプリーズ・ゲーム』(2002)は『太陽がいっぱい』や『リプリー』の続編であり、『アメリカの友人』のリメイクなんです!『太陽がいっぱい』と『リプリー』では裕福な親友を殺して彼に成りすましたリプリーですが、今回のリプリーはさらに知能的に行動します。いまや快適な人生を送っているリプリー(ジョン・マルコヴィッチ)のもとに現われたのはかつての犯罪仲間リーブスで、リプリーにロシア・マフィアの暗殺を依頼してきます。引き受けたリプリーは自分で手を汚さずに仕事をやり遂げるゲームを思いついたのです。それは以前に自分を侮辱したジョナサンの弱みにつけこんで、自分の代わりに暗殺者に仕立て上げること…。
名作の続編でリメイクというとグレードが落ちるようなイメージがありますが、この『リプリーズ・ゲーム』に限っていえばそんなことはありません。なにしろ監督は『愛の嵐』(1973)や『フランチェスコ』(1989)で知られるイタリアの名女流監督リリアナ・カバーニ、主役のリプリーには名優ジョン・マルコヴィッチ、そして音楽は『夕陽のガンマン』(1965)や『ニュー・シネマ・パラダイス』(1989)などの映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネという豪華な布陣が揃っています。
そんな超一流の映画人が揃っているにもかかわらず、やっちまっているシーンがこの映画にもあったりします。リプリーとリーブスが出会うシーンで、葉巻を吸っている男がいるのですが、ショットが変わるたびに葉巻の長さが変わっていたりします。それから、リプリーの部屋のあるソファーにある卵でできた染みはシーンによってあったりなかったりする。また、デュッセルドルフに列車が到着するシーンでは、よく見ると後ろの方を映画の設定とは違う現代のICEの列車が走っていたりする。なかでもすごいのは、リーブスがロシア人の殺し屋に狙われるシーン。この殺し屋はその後、撃たれてしまうのですが、よく見るとシャツの下に弾着と血のりの入った袋が透けて見えているのだぁ〜!
『太陽がいっぱい』や『リプリー』、そして『アメリカの友人』が大好きという方は要チェックの1本ですよ!
アン・ハサウェイ/裸の天使
2007年4月25日発売
GNBF-1163 税込3,990円(税抜3,800円)
発売元:ジェネオン エンタテインメント

監督:バーバラ・コップル(「ワイルド・マン・ブルース」「MY GENERATION マイ・ジェネレーション」)
キャスト:アン・ハサウェイ(「プラダを着た悪魔」「プリティ・プリンセス」シリーズ)/ビジョー・フィリップス(「BULLY ブリー」)/フレディ・ロドリゲス(「レディ・イン・ザ・ウォーター」「ポセイドン」)/マイケル・ビーン(「ターミネーター」)


日本でもアイドル女優が映画で突然ヌードになってファンを驚かせることがありますが、この『裸の天使』でのアン・ハサウェイはファンならずとも驚きの映画です。アン・ハサウェイといえば『プリティ・プリンセス』(2001−2004)シリーズで文字通りプリンセスを演じ、昨年の大ヒット作『プラダを着た悪魔』(2006)では新人編集者役で幅広い層に支持を受けた若手女優ですが、『裸の天使』ではこれまでのイメージを覆す役柄に挑戦しています。
ロサンゼルスに住む裕福な家庭に生まれ、なに不自由なく暮らしてきたアリソン(アン・ハサウェイ)だったが、刺激のまるでない生活に飽き飽きしていた。ドラッグに手を出してみたものの飽き足らず、刺激を求めてヒスパニック系が住んでいる危険な地域に出かけてみたのだった。そこでアリソンが出会ったのはメキシコ人のストリート・ギャングでドラッグ密売人ヘクトルだった。死と隣りあわせで刺激に溢れた彼らの生活にすっかり魅せられてしまったアリソンはヘクトルに仲間にしてほしいと頼む。するとヘクトルはある条件を出してきた。それはサイコロを振って、出た数の分だけヘクトルの仲間とセックスをすることだった…。
汚れ役に体当たりで挑んだアン・ハサウェイですが、このアリソン役に最初の候補に挙がったのはマンディ・ムーアやケイト・ボスワースでした。衝撃的な役柄のせいかこのふたりは断り、アン・ハサウェイが演じることになったのでした。この『裸の天使』はオリジナルの脚本を書いたジェシカ・カプランに捧げられています。実はこの映画の脚本は7年も前に映画製作会社の手に渡っていたのですが、映画化になかなか至らなかった作品でした。2003年にはタイトルが『The Powers that be』から現在の『Havoc』に変更されました。ところが同じ2003年にジェシカ・カプランはロサンゼルから乗った小型飛行機の事故によって帰らぬ人となってしまったのです。享年24歳でした…。その思いに応えようとしたのか、アン・ハサウェイは体当たりの演技に挑戦しています。
なのに、なのに、この映画でもやっちまってるシーンがあったりします。ヘクトルの仲間のトビーがラップしているとき、彼のセーターの袖はカットによって手首まで降りていたり、腕まで捲り上がっていたりします…。
『プラダを着た悪魔』を見てアン・ハサウェイの大ファンになった貴兄には必見の映画ですよ!
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